Excelの自動化の基本・マクロの記録

2017.07.26その他

複雑な動作を何度も繰り返す場合、Excelでは、「マクロ」という形で記録することで、その複雑な動作を一回の操作で呼び出すことができるようになり、効率化する上では必須のテクニックです。
今回は、その「マクロの記録」について解説します。
実際に操作できるファイルはこちらからダウンロードできます。

マクロとは

Excelのマクロは、まさに手動での操作を記憶させることができ、それを呼び出すことができます。記憶した内容を呼び出し実行した時、操作と操作の間の時間は省かれるので、無駄な操作時間が0となり、より高速な処理ができます。

様々な機能を記録できます。機能以外でも、データや数式の入力、セルやシートの選択、スクロールも記憶します。逆にセルやシートの選択をしないで記録することもできます。
ただし、操作に関係ない箇所のクリックは記録されません。あくまで、何かを選択したか、何かの機能を実行したときだけ記録されます。
例えば、フォントの設定ダイアログボックスで様々なフォントの設定をした後、[OK]ボタンをクリックしたときのみ記録し、[キャンセル]ボタンをクリックしたときでは、その操作は一切記録しません。

マクロの記録の前に

マクロで多くの操作を記録する場合、あらかじめ、ブックを保存した後、一度、予行練習しておきましょう。
予行練習をしたら、一度ブックを保存しないで閉じてから、再度開き、その状態から記録を開始します。
このように予行練習することで予期せぬ動作を記録することがなくなります。
※後述の実際のマクロ記録では予行練習する操作は含めておりませんが、実際にマクロを記録する場合は、予行練習をお勧めします。

マクロの記録の手順

マクロの記録は次の方法で行います。
マクロの記録は[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの記録]をクリックし、記録開始します。

マクロの記録

 

ここからは、記録する内容に関係ない操作はできるだけ行わないようにします。
実際の記録する内容を操作します。
[表示]タブ-[マクロ]-[記録終了]で、記録終了します。

記録終了

マクロの実行

マクロの実行は、[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックし、該当のマクロを選択し、[実行]をクリックします。

マクロの実行

実際にマクロを記録してみましょう

実際にマクロの記録を行う例題を2つ用意しました。
実際に操作しましょう。

アクティブセルを黄色の背景にし、赤の文字にする

「黄色で赤文字」シートをご覧ください。

黄色赤シート

 

A1からF15の範囲に数値が並んでいます。
このシートのアクティブセルに背景が黄色で赤の文字を設定するマクロを記録します。
このマクロのポイントは、現在すでに選択されているアクティブセルに対して行うので、セル選択はマクロに記録しないということです。気を付けましょう。

マクロの前にセルC3をクリックし、アクティブセルにしておきましょう。

アクティブセルを選択しておく

 

では、マクロの記録をします。
[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの記録]をクリックします。

マクロの記録

 

マクロ名は「黄色赤」にし、[OK]ボタンをクリックします。

マクロ名の指定

 

[ホーム]タブの塗りつぶしの色から「黄色」、フォントの色から「赤」を選択します。

マクロの内容を記録

 

[表示]タブ-[マクロ]-[記録終了]をクリックします。

記録終了

 

動作確認をします。

アクティブセルをセルE8にし、[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックし、「黄色赤」を選択し、[実行]ボタンをクリックします。

マクロの表示

 

セルE8に背景が黄色で赤の文字という2つの操作が実行されました。

値を1ずつ加減する

「数値の加減」シートをご覧ください。

加減算

 

セルB2に1という数字が入っています。
セルB6には「=B2+1」という1加算する式、セルC6には「=B2-1」という1減算する式が入っています。
また、セルB2の値を使って上下する棒グラフがあります。

セルB2の値を加算したい時はセルB6の計算式をセルB2に値として貼り付け、減算したいときはセルC6の計算式をセルB2に値として貼り付けたい場合のマクロを記録します。

今回は、加算と減算で別の動作になるので、それぞれでマクロを記録します。

「黄色赤」の時のように、アクティブセルに対してではなく、セルは決まっているので、マクロにセルを指定する動作も含めます。

関係のないセルA1をアクティブセルにし、記録を開始します。
まず、加算の動作を記録します。
[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの記録]をクリックします。

マクロの記録

 

マクロ名は「加算」にし、[OK]ボタンをクリックします。

マクロ名

 

セルB6をクリックし、[ホーム]タブの[コピー]をクリックします。

元データのコピー

 

セルB2をクリックし、[ホーム]タブの[貼り付け]の中の[値]をクリックします。

値として貼り付け

 

最後にアクティブセルをA1にします。

アクティブセルをA1に

[表示]タブ-[マクロ]-[記録終了]をクリックします。

記録終了

 

動作確認をします。
[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックし、「加算」を選択し、[実行]ボタンをクリックします。

動作チェック

 

セルB2の値が1加算されました。

動作チェックの結果

 

次に減算の動作を記録します。
[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの記録]をクリックします。

マクロの記録

 

マクロ名は「減算」にし、[OK]ボタンをクリックします。

マクロの記録

 

セルC6をクリックし、[ホーム]タブの[コピー]をクリックします。

減算コピー

 

セルB2をクリックし、[ホーム]タブの[貼り付け]の中の[値]をクリックします。

値として貼り付け

 

最後にアクティブセルをA1にします。

A1をアクティブセルに

 

[表示]タブ-[マクロ]-[記録終了]をクリックします。

記録終了

 

動作確認をします。
[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックし、「減算」を選択し、[実行]ボタンをクリックします。

動作確認

 

セルB2の値が1減算されました。

動作確認の結果

相対参照で記録

マクロを記録する場合、相対参照で記録することもできます。
相対参照で記録するには[表示]タブ-[マクロ]-[相対参照で記録]ボタンをクリックすることで、相対参照で記録するモードになります。

相対参照で記録

 

今回は場所の確認だけにしましょう。
相対参照で記録するモードで記録した場合は、はじめにあるアクティブセルの位置を基準として記録します。
例えば、アクティブセルがセルC3の状態で記録開始し、右に2つ、下に2つ移動したセルE5に黄色の背景を設定というマクロを記録したとします。そのマクロを、アクティブセルがセルB2の状態で実行すると、右に2つ、下に2つ移動したセルD4が黄色の背景になります。
このようにアクティブセルに対して一定のセル数分離れたセルに実行するマクロを記録する場合に使います。

マクロの記録が失敗したら

マクロの記録が失敗した時は、削除してから、もう一度初めから記録するとよいでしょう。
マクロの削除は[表示]タブ-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックし、該当のマクロを指定し、[削除]ボタンです。

削除

 

今回は削除しません。

マクロの呼び出し

いちいちマクロを呼び出す手順が煩わしい時があります。
せっかく自動化するのですから、簡単にマクロは呼び出したいです。
そこで、マクロを簡単に呼び出す方法を2つ紹介します。

ショートカットキーへの登録

Ctrlキーと、任意のキーで呼び出せるように設定できます。
ただし、すでに登録されているショートカットキーに設定する場合、そのショートカットキーが使えなくなりますので、できるだけ使わないショートカットキーに割り当てるようにしましょう。
「黄色で赤文字」シートで、「黄色赤」マクロをCtrl+Mのショートカットキーに登録しましょう。
マクロのショートカットキーへの登録は[表示]タブ-[マクロ]をクリックし、「黄色赤」マクロを指定し、[オプション]ボタンで表示されたダイアログボックスのショートカットキーに「m」と入力し[OK]ボタンをクリックします。

ショートカットキーの登録

 

[マクロ]のダイアログボックスは[キャンセル]しましょう。

キャンセル

 

任意のセルをクリックして、Ctrl+Mのショートカットキーを押すと、そのセルの背景が黄色で文字が赤になります。

動作確認

 

キーを指定時にShiftキーを押すことでCtrlキー+Shiftキー+割り当てたいキーというショートカットキーにすることもできます。

図形への登録

テキストボックスなどの図形にマクロを登録することができます。
「数値の加減」シートの「上」のテキストボックスに「加算」を登録します。
上の図形の周りの線を右クリックし、[マクロの登録]をクリックし、「加算」マクロを選択し、[OK]ボタンをクリックします。

ボタン登録

 

上の図形をクリックして、セルB2が加算されることを確認しましょう。

動作結果

 

上の図形をクリックし、加算のマクロが動作し、セルB2の値が1加算されました。
同様に下の図形にも「減算」マクロを登録しましょう。
マクロが登録されているテキストボックスの中の文字を変更したり、書式を変更したりするために選択したい場合は、テキストボックスを右クリックします。

万が一マクロが止まらなくなった時

マクロの記録に失敗した場合、マクロの動作が止まらなくなる時があります。
その場合は、ESCキーを押すことでマクロを強制的に止めることができます。

保存

マクロを記録したブックは、名前を付けて保存で「Excelマクロ有効ブック」形式で保存しないと、記録したマクロがなくなってしまいます。
マクロを記録したら、「Excelマクロ有効ブック」形式で保存しなおすことを覚えておきましょう。

マクロ有効ブックで保存

まとめ

今回は、Excelの重要な機能の一つ、マクロの記録について解説しました。
マクロというと難しいイメージをお持ちの方もいらっしゃったかもしれません。
実は今回紹介したように、操作は非常に簡単です。
複雑な操作はマクロに記録しておき、さらに、簡単に呼び出せるように登録しておくことで、効率の良い作業ができるワークシートを作成することができます。
また、様々な計算式をワークシートに設定しておくことで、更に応用ができます。
自動化のアイデアの幅もマクロの記録方法を覚えることで広がりますので、ぜひ覚えておきましょう。

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