- 会社名
- 税理士法人生駒会計
- 業種
- 税理士事務所
- 利用用途
- 顧客管理、タスク管理、チャット機能、日報 他
※ 事例公開日:2026年09月28日
※ 事例記事の内容や所属は、取材当時のものです。
Forguncy導入前課題
- Excelに分散した顧客情報の更新・管理が負担に
- 顧客対応履歴が属人化し、引き継ぎが困難
Forguncy導入後効果
- 顧客情報を起点に関連業務をForguncyへ集約
- 顧客に紐づく情報を組織で共有し、顧客対応の品質を向上
香川県高松市に拠点を置き、税務会計やタックスコンサルテーションを行っている税理士法人生駒会計では、既存の顧客管理システムで管理しきれない各種情報を複数のExcelで補完していたが、頻繁に発生する担当者変更の対応に加え、Excelの作成・メンテナンスや顧客情報の管理が属人化し、運用負担が大きくなっていた。そこで、新たな業務基盤として、ノーコード開発・運用基盤となる「Forguncy」を採用している。その経緯について、DX戦略推進部 責任者 松岡 晃平氏および同部 大西 洋平氏にお話を伺った。
【課題】
顧客管理に必要な業務別Excelファイル、メンテナンスに膨大な手間が発生
同社では、以前から顧客管理システムを導入・運用していたが、システムで吸収できない周辺業務はExcelを用いて管理せざるを得ず、10を超えるExcelファイルを用いていたという。このExcelによる業務において課題が顕在化したと松岡氏は当時を振り返る。
具体的には、顧客情報や案件情報、契約情報、売上などがそれぞれのExcelファイルで管理されており、しかも1つのExcelファイル内で担当者ごとにシートが分かれている状況にあった。「例えば試算表を毎月お送りしているお客さまの送付状況を管理するファイルといった、業務別にExcelファイルが分かれていたのです。担当者変更だけでも多くの時間を割いてメンテナンスしていました」と松岡氏。また、各種帳票は見やすさや分かりやすさを重視して作り込まれていたため、Excelから汎用的なソフトに変更することも難しい状況にあったという。
顧問先が毎年増えることでExcelファイル自体が重くなり、松岡氏がExcelマクロを駆使して業務に適したファイルを用意する負担も大きなものになっていた。「どうしてもExcelマクロを使うと属人化してしまいますし、作成するのに時間もかかる。誰でも使えるちゃんとした業務の基盤となる環境を整備したいと考えていたのです」と松岡氏は当時の思いを吐露する。
DX戦略推進部
責任者 松岡 晃平様
さらに、当時はグループウェアを使って顧客対応に関する社内連絡を行っていたが、宛先に含まれていないメンバーは過去の履歴を閲覧できなかった。顧客に関する相談内容や対応上の注意点が各担当者のもとに分散していたため、担当者変更時に必要な情報を十分に引き継ぐことが難しかったという。
会計事務所では、顧客ごとに契約内容や担当者、申告期限、税務対応の履歴、書類の提出状況など、多くの情報を継続的かつ正確に管理する必要がある。情報管理に不備があれば、申告や顧客対応の漏れにつながる可能性もある。顧客数が年々増えるなか、誰がどの顧客を担当し、どの業務にいつ対応すべきかを組織として正確に把握できる仕組みが求められていた。
DX戦略推進部
大西 洋平様
【選定】
従来の帳票様式を変えずにシステム化。求める画面を再現できたForguncy
新たな環境づくりでは、代表の求める帳票様式に対応できるかどうかを中心に、いくつかのソリューションを検討。また、従来の帳票様式や確認手順に慣れた現場が混乱しないよう、既存の業務感を大きく変えずに利用できる環境が提供できるものを探したという。実際には、利用していた顧客管理ツールやノーコードツール、会計事務所に特化した顧客管理ツールなどを比較しながら検討を進めていったが、コストが見合わないものや自社の帳票・業務手順に合わせた加工に多くの工数を要するものが多く、同社の業務に適した仕組みにはなかなか出会えなかった。
そんな折に注目したのが、Excelライクな開発UIを持つノーコード開発・運用基盤のForguncyだった。自社の業務に合わせて画面を設計し、必要な帳票も出力できる製品をノーコードのキーワードで探しているうちに、複数のExcelによる管理を改善した他社事例を知り、興味を持ったという。そこで評価版を利用し、インターネット上で公開されていたForguncyドリルなどを参考に顧客管理画面の作成を試した。その結果、従来の帳票様式や確認方法を生かしながら、求めていた仕組みを短期間で形にすることができた。「Excelマクロについては多少扱える程度でしたが、Forguncyに触れて顧客管理の画面を作ってみたところ、“できちゃった”というのが正直な感覚でした。営業担当者に質問しながら作っていきましたが、1ヶ月も経たないうちに帳票もほぼ完成してしまった。これでいいじゃないかという結論に達したのです」と松岡氏。
費用面でも、会計事務所向けの専用システムや他のツールと比較し、必要な機能とコストのバランスを評価した。自社で機能を追加・改善できることも含め、費用対効果が見込めると判断。Excelに分散していた情報を集約する新たな業務基盤として、Forguncyが選ばれることになったのだ。
Forguncy選定のポイント
- 従来の帳票様式や確認手順を生かし、求める画面・帳票を柔軟に作成できる
- 必要な機能を自社で追加・改善でき、機能とコストのバランスがよい
【運用】
顧客情報に業務履歴を集約し、会計事務所を支える業務基盤へ
顧客に紐づく情報とやり取りを蓄積し、担当変更後も履歴を引き継げる仕組みに
現在は顧客管理システムとしてForguncyが活用されており、多数のアプリが作成されている。全社が利用する業務基盤として広く社内に展開しており、外部連携については請求書発行の仕組みやグループウェアなどがその主な連携先だ。税務ソフトなどとはCSVでの連携が行われている。
顧客情報管理が主なアプリとなっており、会社情報や契約内容、担当者情報、関連企業情報、税務調査の報告書のほか、日報や社内メッセージ、年末調整や確定申告のタスク管理など、顧客に紐づく幅広い情報をForguncy上で管理している。帳票に関しても、業務に必要な各種帳票が出力可能となっており、顧客の一覧画面から帳票を出力してミーティング時の資料として活用するといった用途にも利用されている。
▲ 情報を集約した顧客管理システム
具体的な使い方をいくつか見ていくと、例えば新規関与報告書と呼ばれるアプリでは、ワークフロー機能を活用し、顧客の情報を申請・承認する仕組みを構築。確定申告や年末調整については、担当者ごとの提出進捗を一覧やグラフで確認できるタスク管理アプリを活用している。
▲ 確定申告業務のタスク進捗
▲ 該当月の申告業務を一覧で管理
法人税や消費税の中間申告では、対応漏れが顧客の不利益や事務所のリスクにもつながるため、対象顧客と進捗を確実に把握する必要がある。以前は顧客名や金額をExcelへ転記していたが、現在は税務ソフトの金額データをForguncyへ取り込み、対象顧客を判定してチーム予定表に表示している。
顧客に関する情報を社内メンバー間でやり取りする機能もForguncyで開発されている。プルダウンで顧客を選択して必要な情報を入力し、送信先の社内メンバーを選択すると、返信履歴もチャット形式で蓄積される。メッセージを送信すると、普段利用しているグループウェアに通知が飛ぶ仕組みだ。
「以前は後任担当者が過去の履歴を閲覧できず担当者の引き継ぎがしづらかったですが、Forguncyに切り替えたことで、お客さまに関して社内で交わされたメッセージを後任も確認できるため、引き継ぎしやすくなりました」と松岡氏。このメッセージ機能を開発したのは、入社当時、開発経験がなかったメンバーだというから驚きだ。
▲ 顧客に関する社内相談履歴を蓄積
▲ 日報の詳細な報告をリアルタイムで閲覧可能
また、このチャット形式のメッセージ機能を使って日報としての報告も行われている。時間ごとにどの顧客向けに何の作業を行ったのかに加え、顧客が抱えている課題も記録できる。上長が内容を確認してコメントできるため、顧客が抱える課題を担当者が抱え込まず、組織として早い段階で対応できるようになっている。今後は各メンバーの工数管理に落とし込むところまで実施していく計画だという。
【効果】
情報共有の加速で顧客対応の品質向上を実現、情報メンテナンスの負担も大幅に軽減
Forguncyの導入により、これまで担当者の頭の中にしかなかった情報も含めて情報共有できる基盤が整った。担当者変更時の引き継ぎ漏れを防ぐなど、過去の経緯を踏まえた顧客対応が可能になったことで、サービスの品質向上に大きく役立っているという。申告業務などのタスクを一元管理することで、対応の抜け漏れ防止にもつながっている。
「多くのExcelを駆使して管理していた総務部門などは、情報をメンテナンスするだけでも多くの時間がかかっていました。今はForguncyに集約できたことで、作業負担も大きく軽減しています。おそらく月に10時間ほどは削減できていると思います」と松岡氏は評価する。管理帳票のペーパーレス化による待ち時間の削減や業務基盤の整備により外出先でも必要情報を確認できるようになったことも大きな効果だと松岡氏は高く評価する。
「Forguncyを導入した当初、利用者からは『使いにくい』という声もありましたが、1年ほど経つと『めちゃくちゃ使いやすくて、これは手放せない』と評価されるようになりました」と松岡氏は語る。
システム開発の経験のある大西氏は「Forguncyは触りながら開発していけるツールです。個人的には、リストビューの機能があることでデータ出力が簡単でとても使いやすい。自分でプログラムを書くと手間がかかる処理ですが、データ出力の部分はとても迅速で使い勝手がいい」と評価する。Forguncyを利用する現場からは、改善要望や新たなアプリに対する期待などさまざまな声が寄せられているが、「改善要望も含めて声が寄せられているのは、それだけ仕事に直結した重要なツールになっているということの表れではないでしょうか」と大西氏の評価も高い。
【展望】
Forguncyに蓄積された情報を生かすデータ活用フェーズに向けた機能実装へ
顧客管理基盤として全社的にForguncy活用が進んでいる中で、現在は、顧客情報をもとに請求データを確認し、APIを介して請求書発行システムへ連携するアプリの開発も進めている。「請求アプリのリリースはもちろんですが、Forguncy内に蓄積したデータをうまく活用するフェーズに持っていけるような機能開発も進めていきたい」と大西氏は意欲的だ。
また、顧客に関する社内の相談や連絡はForguncyに集約されている一方、それ以外の社内連絡にはグループウェアを利用している。Forguncyからグループウェアへ通知する仕組みは構築済みだが、将来的には社内コミュニケーションをより広くForguncyへ集約し、業務基盤としてさらに拡張していきたいという。さらに、松岡氏は、生成AIとの連携による開発効率化や業務効率化にも期待を寄せる。顧客情報を集約する基盤から始まったForguncyの活用は、蓄積したデータを生かす次のフェーズへと進もうとしている。
税理士法人生駒会計様