Excel業務カイゼンブログ
Excelシートを更に便利にするフォームコントロール
Excelには「フォームコントロール」という部品を挿入し、セルの数値と連携する機能があります。このフォームコントロールを活用することで、一見設定が難しそうな操作画面も、VBAを使わずに実現することができます。今回は、フォームコントロールの種類と、それぞれの使い方、設定方法を紹介します。
操作するファイルはこちらからダウンロードできます。
フォームとは
さて、フォームコントロールとはどんなものなのでしょうか。1つ例を挙げて紹介します。ダウンロードしたファイルの「フォームの利用」シートをご覧ください。
E2からF12の範囲に商品の一覧表があります。その商品名が、B2からC7に配置されているボックスの中に記載されています。このボックスの中の「ブルゾン1」をクリックしてみましょう。
セルB9の値が、6になりました。連動してセルC10にINDEX関数で6番目の商品名「ブルゾン1」が表示されます。また、セルC11には、VLOOKUP関数でブルゾン1の価格「5,400」円が表示されます。このボックスのことをフォームコントロールと呼びます。フォームコントロールには、次のような種類があります。
準備
フォームコントロールは[開発]タブにあります。しかし、Excelの初期状態では[開発]タブはありません。<まず、[開発]タブを表示します。リボンのタブを右クリックし[リボンのユーザー設定]をクリックします。
右のボックス内の[開発]にチェックを入れ[OK]ボタンをクリックしましょう。
[開発]タブが表示されました。
フォームコントロールは、[開発]タブの[挿入]ボタンをクリックして表示される[フォームコントール]の中に用意されています。
※[フォームコントール]の下の[ActiveX]は主にVBAで操作します。
設定内容とコンボボックスの作成
コンボボックスを作りながら、フォームコントロールの設定内容を解説します。ダウンロードしたファイルの「コンボボックス」シートを表示します。[フォームコントール]の中の[コンボボックス]をクリックします。
セルB2の中心からセルC3の中心までドラッグします。
何も設定されていないコンボボックスが配置されます。コンボボックスを右クリックし、[コントロールの書式設定]をクリックします。
フォームコントロールの設定では[コントロール]タブの内容が重要です。[コントロール]タブをクリックしましょう。
[入力範囲]は、コンボボックスの項目一覧です。今回はE3からE12の商品名の一覧を指定するので、[入力範囲]をクリックし、E3からE12をドラッグして範囲を設定します。
[リンクするセル]は、選択項目の番号をどこのセルに反映させるかを選択します。
今回はセルB5と連携するので、[リンクするセル]をクリックし、セルB5をクリックして設定します。
[OK]ボタンをクリックします。コンボボックスが選択されているので、一度関係ないセルをクリックしてコンボボックスの選択を外しましょう。これでコンボボックスは完成です。
コンボボックスの中から任意の商品を選んで、その番号がセルB5に反映されることを確認しましょう。
セルC6、C7にはあらかじめ計算式を設定しておいたので、商品の番号に対する名前と価格が表示されます。
リストボックスの作成
リストボックスを作成します。ダウンロードしたファイルの「リストボックス」シートを表示します。[フォームコントール]の中の[リストボックス]をクリックします。
セルB2の中心からセルC7の中心までドラッグします。
何も設定されていないリストボックスが配置されます。リストボックスを右クリックし、[コントロールの書式設定]をクリックします。
[コントロール]タブをクリックし、[入力範囲]をクリックし、E3からE12をドラッグして範囲を設定します。[リンクするセル]は、セルB9をクリックして設定し[OK]ボタンをクリックします。
※選択の種類は初期設定のまま[単一選択]にします。リストボックスは複数の項目を選択できるフォームコントロールなのですが、単一選択以外はVBAで内容を読み取らないとできないのでワークシートでリストボックスのフォームコントロールを扱う場合は単一選択のみを選ぶようにしましょう。
リストボックスが選択されているので、一度関係ないセルをクリックしてリストボックスの選択を外しましょう。これでリストボックスは完成です。リストボックスの中から任意の商品を選んで、その番号がセルB9に反映されることを確認しましょう。
セルC10、C11にはあらかじめ計算式を設定しておいたので、商品の番号に対する名前と価格が表示されます。
オプションボタンの作成
オプションボタンを作成します。ダウンロードしたファイルの「オプションボタン」シートを表示します。オプションボタンを作成時には、気を付けなければならないことがあります。
例えば、1シートの中で、選択肢が「キャベツ」「レタス」「きゅうり」「トマト」の中から1つを選ぶオプションボタンが1種類のみの場合は気にしなくてもよいのですが、1シートの中で前記の他に「みかん」「りんご」「なし」「バナナ」の内からも1つ選びたい場合、前者は「野菜」グループ、後者は「果物」グループから1つずつ選択することになります。詳しい説明は後述しますが、このように選択するものが複数ある場合、グループに分ける設定が必要ということを覚えておいてください。
[フォームコントール]の中の[オプションボタン]をクリックします。
セルB3の右端あたりをクリックすると、そこを左端としたオプションボタンを挿入できます。
オプションボタンの文字は、ダブルクリックすることで削除、入力ができます。「タコ」と入力しましょう。
タコのオプションボタンを右クリックし、[コントロールの書式設定]をクリックします。
[コントロール]タブをクリックし、[リンクするセル]をクリックして、セルF3をクリックして設定し[OK]ボタンをクリックします。
海のものグループにもう一つ「イカ」のオプションボタンを追加しますが、タコのオプションボタンをコピーして作成するとよいでしょう。
タコのオプションボタンを右クリックしてコピーし、セルB5くらいに貼り付け文字を「イカ」に変更します。
ここでグループの設定をします。
[フォームコントール]の中の[グループボックス]をクリックします。
2つのオプションボタンが囲まれるように、セルB2の左上端からセルD6の右下端までドラッグします。
意外とオプションボタンの範囲は大きいので、大きめに作成します。
グループボックスが配置されます。
このグループボックスで囲まれたものが1つのグループとなります。
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