株式会社富士達様

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Forguncyで脱Excel。不明瞭だった原価計算を適正化。 仕掛品と製品の正確な原価を算出する生産管理システムを構築

株式会社富士達様

※ 事例公開日:2019年6月28日
※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。

昔ながらの七輪と炭火でこんがり焼いたカルビなどがリーズナブルな価格で食べ放題というお財布にやさしい焼肉店「七輪焼肉 安安(あんあん)」を運営する株式会社富士達様は、安安だけでも全国で150店舗を展開する外食企業です。安くて安心をモットーとし、店舗の内装、設備の設置・メンテナンスのすべてを内製することをポリシーとしているとのこと。

そんな富士達様では2017年にForguncyを導入し、課題であった原価計算の最適化に成功しました。安価なメニューを提供するには仕入れ金額や作業工数などのデータから正確な原価を算出しなければなりませんが、Excelによる管理ではそれを実現できなかったとのこと。回転の速い外食産業における正確な原価計算をForguncyでどのように実現したのかなど、情報システム部部長の内田 亘様に伺いました。

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【課題】原料のトレーサビリティはできているのに基幹システムのデータを活用できない

システム開発やプログラミングの経験はなく、入社してからITを担当するようになったという内田様は、今では情報システム部の部長として全国150あまりの店舗の情報システムを束ねています。「七輪焼肉 安安」のほか「Mr.チャーハン」を展開する富士達様の企業風土は「内製」。店舗の空調設備から内装デザイン・施工まですべて自分たちで製造・製作しているとのこと。設備の内製による出店コストのメリットを製品価格に還元することで安くておいしいメニューを提供しています。毎年数十店舗のペースで順調に店舗数を伸ばしましたが、店舗が増えるに従いITによるデータ管理と共有が課題になりました。特に顧客に安価なメニューを提供し続けるために正確な原価計算が必要だったのです。

自社向け製品の開発をする食肉生産部門では生産実績や原価をExcelで管理していたのですが、部門内での業務が細分化され、それぞれの業務を管理するためにExcelが作られ、担当者が変わるとExcelが改変され複雑化し、作った人にしかわからないExcelが多数存在するといった状態でした。

Excelが乱立したことに対し内田様は、こう振り返ります。

「飲食店では食中毒の不安がありますので衛生管理はしっかりやらなければなりません。管理しなければならないものをリストアップしトレーサビリティを組み込んだりするなど、加工センター(食肉生産部門)では、当時いろいろなことをやりました。まずは、原料として使うものと出来上がったものロット番号を管理し、基幹システムと接続することを優先的に行い、工程管理を後回しにしたんです。現場のオペレーションが確立していなかったこともあり、工程管理は担当者が増え、それぞれが自分の業務を管理するためのExcelが増えてしまった。」

情報システム部部長 内田 亘様

情報システム部部長 内田 亘様

内田様はこの状況を整理し、データを一本化して正確な原価計算ができる「生産管理システム」の構築に乗り出します。現場の担当者からヒアリングをしてみると、どの業務でも基幹システムから原料の仕入れ日や仕入れ価格、仕入れ先、ロット番号といった情報を取得し、それをExcelに再入力していることが分かりました。基幹システムに必要なデータは入っているのに、現場ではそれをそのまま活用する方法がないため、Excelに再入力しているという状況が明らかになりました。さらに、担当者は自分の管轄する業務に特化したExcelを作るため、Excelの数だけが増えデータは分断。同じロットで仕入れた原料からどのくらいの製品や仕掛品ができるのかといった計算が全くできなかったのです。

Forguncy導入前の課題

  • 基幹システムに登録されたデータを活用できないことによるExcelへの再入力
  • 仕入れ、製造など部門ごとに縦割り管理されたExcelではデータが分断し正確な原価計算ができなかった
  • 担当者が変わるたびにExcelが改変され、属人化していた
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【導入】内製ありき。高速開発ができてExcelを元にUIを作れるForguncyに魅かれた

基幹システムのデータを活用でき、現場にExcel管理の負担をかけず、正確な原価計算を行うには、何らかのアプリケーションフレームワークを利用して地道にコーディングしていくしかないと考えていた内田様ですが、高速開発ツールについても情報を収集。いろいろなツールを実際にトライアルしたりセミナーに参加したりするうちに高速開発ツールの採用に意識が傾いたそうです。その中でもForguncyはExcelを元にUIを作成できるため、開発環境の構築や習得のための学習にほぼ時間を割かなくてよいこと。デバッグ、本番環境へのデプロイが簡単にできることなどが評価され導入に至りました。

システム開発を外注せず、内製することについて内田様はこのように考えています。

「機械であれば、ほぼ規格化されたものでモジュールが組まれていると思うのでモジュールごとの原価は計算しやすいけれど、生産工程はものすごく複雑。でも、うちの場合は肉や食べ物といったように重さやロットによるばらつきはあっても、工程はそれほど深くない。もし工程がもっと複雑になったらSIに作りこんでもらったり、専門のパッケージを採用したりすることになるんでしょうが、その判断をするためには、今の製造工程をどうやってデータ管理すればよいのか自分たちで理解していないとダメ。

情報システム部部長 内田 亘様

Forguncyは試しに作るということがとても簡単なので、まずはForguncyで試してみればいいかなと思っています。高いシステムを購入してほとんど活用しなかったということもありましたしね」。

富士達様の内製化の精神はITにも及んでいるようです。

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【導入効果】仕入れデータを活用できたことで、一貫したデータ管理を実現。原料原価を正確に把握できた

自社の製造工程に合わせた生産管理システムを短期開発

内田様の開発した生産管理システムは基幹システムに登録された仕入データに基き「作業予定」「作業時間」「生産」「廃棄」を登録する画面と登録したこれらのデータから、「生産実績」「仕入れ材料別残数」「月別材料単価」などを算出しています。仕入れた原料から製品と仕掛品をいつ製造するのか、何人で作業に当たるのかという生産計画と、製造時間はどのくらいかかったのか、どのくらいの量の製品や仕掛品を製造できたのか、二次加工に使える端材はどのくらいの量発生したのかなどの実績から、製品の正確な原価を割り出すことができるようになっています。

「製造したものが仕掛品だった場合、それを原料としてもう一回製品を作らなければならないのですが、そこの評価ができていなかったので、Forguncyで実現しました。作業をした内容が製品であれば、そのまま評価をする、仕掛品であれば仕掛品としての登録と、原料としてもう1回戻すみたいな作り込みをしています。また、製造した製品の歩留まりが90%だった場合10%分を価格に乗せ1.1倍で原価を算出しているんですが、この時製品には使えなかった10%の部分が他の製品の原料として再利用できる場合は、端材として原価を0円で評価できるようにしているんです。Excel管理では、こうした計算は全くできませんでした」

生産管理

富士達様の実際の製造工程に合わせた柔軟な生産管理システムをForguncyで実現したわけですが、開発にかかった期間は1か月。内田様が一人で作成したとのこと。開発にあたり内田様は現場担当者とのすり合わせを行いつつ、経営層の求めるスピード感で富士達オリジナルの生産管理システムを実現しました。

「生産管理システムは、情報システム部門が勝手に仕様を決めて進めたわけではなく、社内のコンセンサスをとって開発しました。関連するセクションの者からのヒアリングに基づいた上で経営の視点ではこういう提案はどうですか?と現場とすり合わせる感じ。経営層からはスピードが求められるのですぐに実現できるツールじゃないと間に合わない。Forguncyは修正しやすいし画面もすぐできるのでちょうどいい。現場に受け入れられなかった場合でもやり直しがきくし金銭的な損失がないところもいいですね」。と現場に即したシステムを素早く開発できる点に対してForguncyを評価しました。

Forguncyの導入効果

  • 仕入データを活用し一貫した原価計算が可能になった
  • 現場と理解を深めながら、富士達様の製造工程に合わせた生産管理システムを短期間で構築できた
  • 開発中にシステムの仕様変更が発生しても開発費が増大しない

グループウェアのプラグインとして店舗の修理依頼アプリも作成

富士達様では、生産管理システムの他にもForguncyを活用して社内の業務改善を行った例があります。店舗の内装、設備の設置・メンテナンスを内製していることは前述しましたが、こうした設備に不具合が生じて修繕が必要になった場合の修理案件を管理するアプリをForguncyで作成し、富士達が全社的に採用しているグループウェアのプラグインとして組み込んだのです。

それまでは店舗の内装や設備に不具合が生じると本部にメールで修理依頼を行っていました。メールは富士達様で全社的に採用しているグループウェアから送受信するものでしたが、メール文での依頼では、どの店舗の何が壊れたのか、いつまでに修繕できるのかといった進捗管理や案件の共有が難しく、依頼対応が漏れるなどの課題があったそうです。

そこで、修理案件を管理するアプリをForguncyで開発することになったのですが、こうしたアプリはシステム部門が開発して現場に提供したとしても認識・活用されなければ意味がないと考えた内田様は、グループウェアにひと工夫を凝らします。実は、富士達様内でのグループウェアの浸透率は高く社員は必ずそこを見る習慣がありました。そこで、Forguncyで開発した機器修理案件をグループウェアの1機能のように見えるようにしたのです。

実は、このグループウェアには他のWebアプリをグループウェア内に表示することができるプラグイン機能がありました。これを利用して社員が普段見る画面にForguncyで開発した「システム機器修理依頼」の画面を埋め込んだのです。

工事依頼

いつどこの店舗で修理が必要な機器があり今対応がどうなっているのかが、誰でもわかるようになりました。しかもユーザーからはいつも見ているグループウェアの画面の1機能としてアクセスできるのでわかりやすく、すぐに店舗に浸透していきました。

「パソコンが壊れた、ネットワークがつながらない、レジに不具合が生じたといった店舗からの修理相談はこのアプリに登録すればいいので誰でも使えます。今までは何回もオーダー出してもやってもらえないみたいな声が多かったんです。うちの会社は、内装や空調も自前で工事できる内製部隊がいるので、その部隊ならすぐに直せるといったことも情報が共有されていなかったのでうまく回っていなかった。ようやく当たり前のことができるようになったという感じです」。と内田様。

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【今後の展望】グループウェアを基盤としたモバイルを活用した現場との連携

グループウェアの1機能としてForguncyを活用できることから、富士達様では今後も業務改善のためのアプリを組み込むことに意欲を見せています。Forguncyのモバイルアプリ※を使って店舗工事の現場の写真をスマホで撮影してそのままアプリに添付するといったことや、交通費の精算や建て替え管理アプリなどを考えているそうです。

「Forguncyは必要な機能を自社に合わせて手軽にグループウェアに機能を追加することができるので、情報を管理してみんなで共有することができます。アプリが現場の業務とあっていなくても、Forguncyは小さく始めて育てていけるし、追加料金もかからないので」と内田様は語ってくれました。

※Forguncyモバイルアプリは、Forguncy 4で提供開始。AppStore/Google Playで入手可能。

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株式会社富士達様

ロゴ:株式会社富士達様
所在地 〒221-0802
神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-4-4
主な事業 「とにかく安くて、おいしくて、楽しい飲食店づくりを通じて社会のために貢献したい」という事業方針を掲げ、東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・愛知・沖縄に直営店、FC店舗を多数展開。お客様により満足いただける食の提供を追求するとともに、「当たり前のことを徹底して実行する」という「凡事徹底」を貫き、常に食を通じた社会貢献を目指している。
設立日 1988年2月
URL https://anan.fuji-tatsu.co.jp/
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Forguncyをもっとよく知る

各業種や用途別にForguncyを活用して、成功した事例や使い方のご紹介します。