ホシデン九州株式会社様

『Forguncy』を活用して、社員が使いやすい社内システムをスピーディに内製化。開発コストも抑えて業務の大幅効率化を実現

ホシデン九州株式会社様

※ 事例公開日:2020年12月22日
※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。

総合電子部品メーカーのホシデンは、コネクタ、スイッチ、音響部品、静電容量式タッチパネルなどの開発・製造・販売を行う総合電子部品メーカーです。そのグループ会社であるホシデン九州株式会社は、1968年の創業以来、各種情報通信機器用の小型マイクロホンなどを製造し、ビデオカメラや携帯電話、また現在主力製品となっている車載用においても常に世界トップシェアを誇っています。

先進的な技術力と高品質な製品を供給することで社会と産業の発展に貢献を続ける同社では、製造管理や掲示板などの社内の情報共有にExcelファイルを多用していましたが、同時アクセスの制限などの課題があり、システム化を模索していました。当初は生産部門だけで使用していた『Forguncy』は、その後、全社システムの開発にも採用し、業務効率の大幅な向上を実現しました。
同社でシステム開発を担当した同社総務課総務・人事係の安田昇平氏と、開発に協力した株式会社ソルネット SI推進本部 柳楽英光氏にお話を伺いました。

【課題】紙とエクセルでの管理台帳には、課題が山積み

大きなリスクを抱えていた「管理台帳」

ホシデン九州では、製品製造の設計や製造、進捗などを管理する台帳として『製品環境管理台帳』を使用しています。開発部門や生産部門など、多くの社員が回覧、閲覧、編集を行う必要のある台帳で、従来はExcelで作成されていました。

「製品環境管理台帳は多くの社員が閲覧するだけでなく、自分が担当する製品の進捗状況などを更新する必要があります。Excelでは同時に複数ユーザーがアクセスしてファイルを更新することができません。また、関連するファイルへのリンクが書き換えられてしまうという問題もありました。さらに、必要な情報をすぐに見つけられないといった課題も指摘されていました。」

そう当時の課題を振り返る安田氏は、問題を抱えながらもExcelの使用を続けた理由を次のように説明します。
「システム開発を外部に委託する場合には大きなコストが必要になります。また、社内でシステムを構築するという選択肢も考えましたが、総務課がIT担当を兼任している状況ではシステムの維持に不安がありました。」

ホシデン九州株式会社 総務課 総務・人事係 安田 昇平様

ホシデン九州株式会社
総務課 総務・人事係
安田 昇平様

掲示板や勤怠管理でも同様のExcel課題を抱える

「実は社内の掲示板システムでも同様のExcel課題を抱えていました。グループウェアの導入も検討しましたが、全社員が使用するためにライセンス料が高額になります。かといってフリーウェアを使用する場合には、万一の際の不具合対応に不安が残ります。掲示板といっても業務に関わる情報共有にも利用しているため、システムダウンしてもすぐに復旧できる必要があったのです。」

また、勤怠管理をはじめとして、社内のさまざまな手続きに紙の申請書を使い、その内容をExcelに手入力するといった作業は珍しくありませんでした。Excelで集計したデータを、別のExcelファイルに再入力するといったケースも珍しくなかったと安田氏は打ち明けます。また、勤怠管理では、残業申請などのチェックも必要ですが、申請忘れや上長の承認漏れなども少なくありませんでした。

Forguncy導入前の課題

  • Excelファイルなので、複数ユーザーの同時アクセス・編集が困難だった。
  • 紙で申請したものをExcelへ手入力していたため、チェック作業が膨大になっていた。
  • 各種申請、承認がシステム化されていないため、チェック漏れが発生していた。

【導入】生産部門での『Forguncy』導入が内製化のきっかけに

製品環境管理台帳をForguncyでWebシステム化

「あるとき、製品環境管理台帳で不具合が発生した際に、ソルネットから『Forguncy』を使ってWebシステム化する提案がありました。開発はソルネットに委託することになりましたが、『Forguncy』を使用したWebシステム化は一般的なシステム開発と比較して安価でした。」

システム開発は約1カ月で完了し、Excelで運用されていた製品環境管理台帳がWebシステム化したのは2016年のことでした。それまでの課題であった同時アクセスの問題が解決したことに加え、手作業で行っていた業務の自動化も同時に実現することができました。

「以前は、設計中や製造中など、製品の状況が更新されると担当者が自ら関係者にメールで連絡する必要がありました。Webシステム化したことによって、この作業が自動化され、担当者の負担軽減と連絡ミス防止になっています。

Forguncyで掲示板システムの内製化にチャレンジ

「ソルネットから『Forguncy』の説明を聞いているうちに、掲示板や勤怠管理でも利用できると考えました。」
ソルネットの柳楽氏は、情報処理の知見がある安田氏であれば、十分に内製化が可能だと考え、掲示板などの内製化を提案したと話します。

安田氏は、ソルネットの導入支援のほかに、『Forguncy』が用意しているチュートリアルやテンプレートなどを参考に掲示板のWebシステム化を進めたといいます。
「掲示板システムの開発には1カ月ほどかかりました。総務課としての業務もあるので、実作業はもっと短期間だと思います。総務課にはIT担当がもう1名いますが、『Forguncy』であれば担当者が変わっても、メンテナンスできるので安心です。」

業務担当者が継続してメンテナンスができる掲示板システム
▲ 業務担当者が継続してメンテナンスができる掲示板システム

Forguncy導入のポイント

  • スクラッチで開発するよりも開発コストを抑えることができた。
  • Webシステムなので安定して同時アクセスできる。
  • フリーウェアでは十分に期待できないトラブル時の手厚いサポートがある。

【Forguncyでの開発】勤怠管理業務をWebシステムにより効率化

必要な変更を、必要なときに

安田氏が『Forguncy』で勤怠管理をWebシステム化したのは2017年のことです。

「毎月の勤務時間は紙の申請書に記入されたものを総務課がExcelに手入力していました。入力の手間、チェックの手間、集計したデータを経理システムに入力するなどの作業が毎月の締日から支払日までに集中します。残業申請の確認なども同時に行う必要もあります。これらをWebシステムで行うことで、大幅な効率化が期待できました。」

また、勤怠管理システムは全社の従業員が使用するため、ユーザーインターフェースには特に留意したと安田氏は話します。

「手間はかかるのですが、入力画面は紙の申請書とまったく同じフォーマットにしました。ユーザーはフォーマットが同じであれば、入力に迷うことがないと考えました。」

全社員が迷わず利用できるよう紙時代の申請書と同じフォーマットで作成された勤怠管理システム
▲ 全社員が迷わず利用できるよう紙時代の申請書と同じフォーマットで作成された勤怠管理システム

しかし、導入にあたってトラブルがなかった訳ではありません。

「その月に最初に入力する際に、1カ月分の空データをシステムが生成します。しかし、ユーザー側からはシステム側の状況が分からないため、途中でブラウザーを閉じてしまい、空データの生成が完了しないという課題がありました。」

この課題はシステム側の処理中に「進捗インジケーター」を表示することで解決することができました。

また、労働基準法の改正により平均残業時間を管理する必要が生じた際も、システムの改良で対応できたといいます。

「勤怠管理を紙ベースで行っていたら、法改正に対応することは難しかったと考えています。必要なときに必要な改良を行えるのは『Forguncy』の魅力の1つですね。」

部署ごとに導入することでスムーズに移行を完了

安田氏が導入にあたって工夫した点がもう1つありました。それは、全社員が利用する勤怠管理システムを部署ごとに段階的に導入したことです。

「IT担当者は私を含めて2名だけです。それも総務課との業務の兼任です。一度にWebシステムに移行すれば、問い合わせなどが集中して対応しきれなくなる可能性がありました。部署ごとに順次導入することで、操作方法などを丁寧に説明することができ、スムーズに導入できたと思います。」

パッケージ製品であっても、自社開発のシステムであっても、「使えない/使われないシステム」に陥る可能性があります。安田氏は、インターフェースと導入方法を工夫することで、担当者とユーザーの双方の負担を減らすことに成功しています。

Forguncy開発のポイントのまとめ

  • インターフェースを紙と同じフォーマットにすることでユーザーの負担を軽減した。
  • 部署ごとに段階的に導入することで、手厚い導入サポートを可能にした。
  • ユーザーの声や法改正などへの対応が社内ですぐに行える。

【効果】Forguncyの勤怠管理システムにより確実なコスト削減を実現

勤務時間の修正作業はほぼゼロに

『Forguncy』で作成した勤怠管理システムの全社導入が完了した現在、締日から支払日までの業務が一変したと安田氏は話します。

「手入力、数値チェック、申請書の確認などの業務には、従来2人日ほど必要でしたが、現在はほぼゼロになりました。このコストを見積もると年間約40万円になります。勤怠管理システムのほかにも掲示板システムと、人事考課システムを『Forguncy』で作成しました。これらの導入効果を数値化することは難しいのですが、業務効率向上には確実に貢献していると思っています。」

勤怠管理システムの導入効果
▲ 勤怠管理システムの導入効果

『ソルネットの柳楽氏が「掲示板システムなどの内製されたシステムは、デザインが統一されていて、操作がひと目で分かります。」と評価する社内システムは、縁の下の力持ちとして生産性向上に貢献しているといえそうです。

『Forguncy』でほかのシステムも効率化

現在、同社では総務課が内製した「掲示板システム」「勤怠管理システム」「人事考課システム」のほかにも『Forguncy』でWebシステム化した社内システムが存在しています。

「『製品環境管理台帳』『品質管理台帳』『生産管理システム』については、ソルネットに開発を委託しました。業務に対する専門知識が必要なシステムは、担当部署が中心となってソルネットと開発を行っています。勤怠管理システムなど、全社員が使用するシステムは総務課が内製しています。」

委託開発と内製の棲み分けをそう説明する安田氏は、今後は出張申請や社内教育管理についても、『Forguncy』によるWebシステム化を進めていきたいと話します。

パッケージ製品でもなく、オーダーメイドのシステム開発でもない、第3のWebシステム開発手法として、同社ではこれからも『Forguncy』が活用されていきそうです。

全体まとめ

  • 多人数・同時アクセスの社内システムを『Forguncy』で内製した。
  • 勤怠管理では紙ベースの申請をWebシステムに移行したことで大きな効果があった。
  • 『Forguncy』であれば、ユーザーの声や法改正への対応などが、迅速に行える。

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ロゴ:ホシデン九州株式会社様
所在地 〒807-1312
福岡県鞍手郡鞍手町中山3024-38
主な事業
  • ホシデン株式会社の生産拠点として、1968年に創業。各種情報通信機器の小型マイクロホン、車載用ビデオカメラなどを製造
設立日 1968年8月
URL https://www.hosiden.com/company/profile/network.html
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