Be ONE Clubは同社の会員企業向けのサービスで、同社にしかできない印刷物を提供するものでした。会員企業の担当者がWebサイトにログインし、印刷要件と数量を入力すると、料金を見積もれてデータ入稿まで1ストップで発注できるシステムを作りたいと考えた中北氏は、Forguncyを使うことでシステムを内製できないかと考えたそうです。
▲ 共進ペイパー&パッケージの同業他社向け印刷サービスBe ONE Club
「Be ONE Clubはスモールスタートの新規事業だったので、SIerに外注してシステムを開発してもらうほどのコストと時間をかけることはできなかったんです。『Forguncy』については、水上印刷さんから話を聞いていて、いつか使ってみたいと考えていました。ちょうどタイミングよく、Be ONE ClubでWebアプリが必要になったので『Forguncy』を使って開発してみることになったのです。」(中北氏)
以前、B2Cの受発注システムをスクラッチで開発した経験のある同社では、新規事業に同様のコストをかけることは大きなリスクがあると判断したのです。
「『Forguncy』であれば、スモールスタートに最適です。試用期間中に、自分たちが目指すことができること。そして、それが社内で対応できることの見極めが付いたので、『Forguncy』による開発を決断できました。」(中北氏)
Forguncy導入のポイント
新事業を立ち上げる際に『Forguncy』を採用し、手応えを掴んだ
未経験者でもWebアプリ開発ができ、内製化が可能だった
『Forguncy』の試用期間でやりたいことができると評価できた
【開発】ユーザーの意見を取り入れながら開発を進める
モックアップ画面でユーザーの理解を深める営業活動
中北氏はシステム開発の経験はありませんでしたが、Forguncyの導入支援パートナーのアネステックにサポートしてもらいForguncyでBe ONE Clubの受注管理システムを作成に着手。アプリ開発に際して画面の作成方法や機能の設定方法などで大きく苦労した点はなかったと振り返ります。
ただ、システムを利用するのは会員であるユーザー企業の担当者であるため、使い方の理解を深める必要がありました。そのときに役立ったのが開発途中のモックアップ画面だったそうです。
「サービスを運用開始する前から、会員企業には営業員がBe ONE Clubの説明を行っていました。その際にモックアップ画面を見せながらサービスの説明ができるので、お客様にも理解していただきやすかったです。また、使い勝手のフィードバックを受けられるのでUIの改善にもつなげることができました。」(中北氏)
▲ 実際に動作するモックで会員企業にサービスのイメージをもたせることができる
Be ONE Clubでは、販促物の用紙の種類やサイズ、枚数などをユーザーが選択すると、自動的に見積もり額を計算して、具体的な納期含め表示する機能が実装されました。社内稟議が必要な場合には見積書フォームでの出力も可能で、申請後はそのままデータ入稿に進める仕様になっており、発注までの作業はユーザー内で完結します。
「従来は、必要な仕様をメールで受け取って、営業が見積もりを出して、メールで連絡し……という作業が必要でしたが、Webアプリによって、発注作業までを自動化することができました。」(中北氏)
▲ Be ONE Club の入力・編集画面▲ 進捗ごとに閲覧できる案件一覧
特定企業向けの受注管理システムにも転用
Be ONE ClubのWebアプリを開発した中北氏は、多数のアミューズメント系店舗を展開する特定の企業の販促物の受発注システムにも『Forguncy』が活用できると考えました。各店舗の店長が直接システムにログインし、その店舗で必要とするポスターやポップなどの販促物の印刷発注ができるシステムです。
従来は企業本部が各店舗からの必要販促物をExcelに取りまとめて発注し、共進ペイパー&パッケージの営業担当者が生産指示用のExcelに取りまとめ、印刷仕様を工場に伝えるという業務フローでしたが、これをBe ONE ClubのWebアプリを応用することで効率化できると考えたのです。
ただ、Be ONE Clubシステムをそのまま転用することはしなかったといいます。
「個別企業向けの受注管理システムはお客様の各店舗の店長がユーザーです。Be ONE Clubは印刷に関して知識のある同業他社がユーザーで、用語などの基礎知識が共有できていました。しかし、今回のユーザーの店長さんは印刷については詳しくありませんし、Webアプリを操作する機会も多くはありません。そのため、個別企業向けシステムではさらに分かりやすさを追求する必要がありました。」(中北氏)