株式会社 共進ペイパー&パッケージ様

多品種小ロットの受発注窓口を『Forguncy』でアプリ化することで、お客様とのWIN-WINを実現。

株式会社 共進ペイパー&パッケージ様

※ 事例公開日:2021年10月1日
※ 事例記事の内容や所属は取材当時のものです。

印刷・紙器、段ボールを中心として、「紙」にまつわるすべてのことをサービスととらえ「パッケージで世の中のハピネスを生み出す」をビジョンとして掲げる株式会社共進ペイパー&パッケージでは、大量印刷から小ロット印刷まで多種多様な印刷物を手がけています。そんな同社では、大手アミューズメント企業の全店舗で利用する販促物の印刷業務を受注。さまざまな種類の販促物を制作するという煩雑な業務を効率化するために『Forguncy』を活用して、短期間で業務管理用のWebアプリを構築しました。開発を担当した同社ハコプレ事業部の中北陽子氏に、お話を伺いました。

【Forguncy導入前の課題】小ロット印刷の受注から生産までにかかる手続きコストの圧縮

自社の印刷技術を活かして同業他社向けに多彩な印刷を提供する新規事業

共進ペイパー&パッケージは、印刷紙器・段ボールケースの製造販売、紙・化成品・包装資材の販売から、ピッキングやアッセンブルまでも行うコントラクトパッケージング業務やシステム開発など、印刷を中心にした事業を展開しています。

中でも「ほしいものを、ほしいときに、ほしい量だけ、ほしい価格で」をコンセプトに掲げるハコプレ事業では、同社でしかできない印刷技術を活用した同業の印刷事業者向けの受注生産サービス「Be ONE Club」を2020年にスタート。小ロット多品種の印刷ニーズを、Webサービスを利用して提供しています。

「小ロット印刷の案件は1日に2,000件多いときには5,000件にものぼります。ポスターやチラシ、ポップといったサイズや用紙、仕様が異なる多数のアイテムに対応するうえ印刷枚数もさまざまで、見積もり作業や進捗管理には多くの手間がかかっていました」(中北氏)

ハコプレ事業部 中北陽子様

ハコプレ事業部
中北 陽子様

小ロットの印刷案件は受注から発送まで、短いもので1営業日で行うスピード勝負。効率よく多くの受注案件をこなすことが業績に直結するため、見積もりの自動化や印刷データの入稿管理と進捗管理、顧客とのやり取りなどを迅速に行える受注管理システムが必要だったといいます。このシステムの構築に適した開発ツールとしてノーコードで柔軟かつスピーディにWebシステムを構築できるForguncyが採用されました。

Forguncy導入前の課題

  • Excelで200アイテム以上の印刷物を管理していたが、検索性が悪く利用されにくい
  • 受発注のやり取りが煩雑で、メールによるやり取りは非効率だった
  • 見積もりが自動化できるシステムの必要性

【導入】スモールスタートに適したコストで始められる『Forguncy』しかないと思っていました

小ロット多品種の要件にフィットした受注管理システムを内製

Be ONE Clubは同社の会員企業向けのサービスで、同社にしかできない印刷物を提供するものでした。会員企業の担当者がWebサイトにログインし、印刷要件と数量を入力すると、料金を見積もれてデータ入稿まで1ストップで発注できるシステムを作りたいと考えた中北氏は、Forguncyを使うことでシステムを内製できないかと考えたそうです。

共進ペイパー&パッケージの同業他社向け印刷サービスBe ONE Club
▲ 共進ペイパー&パッケージの同業他社向け印刷サービスBe ONE Club

Be ONE Clubはスモールスタートの新規事業だったので、SIerに外注してシステムを開発してもらうほどのコストと時間をかけることはできなかったんです。『Forguncy』については、水上印刷さんから話を聞いていて、いつか使ってみたいと考えていました。ちょうどタイミングよく、Be ONE ClubでWebアプリが必要になったので『Forguncy』を使って開発してみることになったのです。」(中北氏)
以前、B2Cの受発注システムをスクラッチで開発した経験のある同社では、新規事業に同様のコストをかけることは大きなリスクがあると判断したのです。
「『Forguncy』であれば、スモールスタートに最適です。試用期間中に、自分たちが目指すことができること。そして、それが社内で対応できることの見極めが付いたので、『Forguncy』による開発を決断できました。」(中北氏)

Forguncy導入のポイント

  • 新事業を立ち上げる際に『Forguncy』を採用し、手応えを掴んだ
  • 未経験者でもWebアプリ開発ができ、内製化が可能だった
  • 『Forguncy』の試用期間でやりたいことができると評価できた

【開発】ユーザーの意見を取り入れながら開発を進める

モックアップ画面でユーザーの理解を深める営業活動

中北氏はシステム開発の経験はありませんでしたが、Forguncyの導入支援パートナーのアネステックにサポートしてもらいForguncyでBe ONE Clubの受注管理システムを作成に着手。アプリ開発に際して画面の作成方法や機能の設定方法などで大きく苦労した点はなかったと振り返ります。
ただ、システムを利用するのは会員であるユーザー企業の担当者であるため、使い方の理解を深める必要がありました。そのときに役立ったのが開発途中のモックアップ画面だったそうです。
「サービスを運用開始する前から、会員企業には営業員がBe ONE Clubの説明を行っていました。その際にモックアップ画面を見せながらサービスの説明ができるので、お客様にも理解していただきやすかったです。また、使い勝手のフィードバックを受けられるのでUIの改善にもつなげることができました。」(中北氏)

実際に動作するモックで会員企業にサービスのイメージをもたせることができる
▲ 実際に動作するモックで会員企業にサービスのイメージをもたせることができる

Be ONE Clubでは、販促物の用紙の種類やサイズ、枚数などをユーザーが選択すると、自動的に見積もり額を計算して、具体的な納期含め表示する機能が実装されました。社内稟議が必要な場合には見積書フォームでの出力も可能で、申請後はそのままデータ入稿に進める仕様になっており、発注までの作業はユーザー内で完結します。
「従来は、必要な仕様をメールで受け取って、営業が見積もりを出して、メールで連絡し……という作業が必要でしたが、Webアプリによって、発注作業までを自動化することができました。」(中北氏)

Be ONE Club の入力・編集画面
▲ Be ONE Club の入力・編集画面
進捗ごとに閲覧できる案件一覧
▲ 進捗ごとに閲覧できる案件一覧

特定企業向けの受注管理システムにも転用

Be ONE ClubのWebアプリを開発した中北氏は、多数のアミューズメント系店舗を展開する特定の企業の販促物の受発注システムにも『Forguncy』が活用できると考えました。各店舗の店長が直接システムにログインし、その店舗で必要とするポスターやポップなどの販促物の印刷発注ができるシステムです。
従来は企業本部が各店舗からの必要販促物をExcelに取りまとめて発注し、共進ペイパー&パッケージの営業担当者が生産指示用のExcelに取りまとめ、印刷仕様を工場に伝えるという業務フローでしたが、これをBe ONE ClubのWebアプリを応用することで効率化できると考えたのです。
ただ、Be ONE Clubシステムをそのまま転用することはしなかったといいます。
「個別企業向けの受注管理システムはお客様の各店舗の店長がユーザーです。Be ONE Clubは印刷に関して知識のある同業他社がユーザーで、用語などの基礎知識が共有できていました。しかし、今回のユーザーの店長さんは印刷については詳しくありませんし、Webアプリを操作する機会も多くはありません。そのため、個別企業向けシステムではさらに分かりやすさを追求する必要がありました。」(中北氏)

まず、重要視したのが検索性。『Forguncy』のリピーターセルを利用して、販促物の外観を見やすいカタログ風の表示を実現しました。必要な情報だけに絞ることによってごちゃごちゃした印象を与えないデザインになるように工夫しています。
また、新しい販促アイテムを最初のページに表示することで、利用を促す工夫も施しています。
さらに、発注した販促物は、発注や承認待ち、印刷中などの状況を追跡しやすいようにステータスごとにタブでまとめ、アイテムごとの状況はボタンの背景色を変えることで視認性を高めました。
「画面デザインでは、やりたいことがすべて実現できました。新しいバージョンの『Forguncy』から採用された角丸のボタンも気に入っています。」(中北氏)

販促物がひと目で分かるよう、リピーターセルを利用した案件一覧
▲ 販促物がひと目で分かるよう、リピーターセルを利用した案件一覧

複数パターンの承認フローをForguncyで作り込み

今回の販促物の受発注Webアプリの開発で、もっとも苦労した点は、お客様とワークフローを見直し、それをシステム化する点だったと、中北氏は打ち明けます。
「発注作業は各店舗の店長が行うのですが、発注金額によっては、本部の承認が必要になる場合があります。通常のワークフローであれば、起草者から承認者への一方通行ですが、このシステムでは、再び起草者が承認する必要があるなど、システム構築には苦労しました。」(中北氏)
こうした複数の承認プロセスを管理しつつ、現在の進捗がひと目で分かるようデザインを工夫しながらForguncyで画面を作り込んでいったそうです。ステータス管理が詳細すぎるとかえって分かりにくくなるので、どのように簡略化して表示するか、同じ用語でも両社で意味が異なる場合があるので、用語統一が必要になるなど、「お客様とのさまざまなすり合わせに時間がかかり、仕様を固めることに苦労しましたが、『Forguncy』は、すぐに要望に合わせて画面やロジックの修正対応ができるので助かりました。」(中北氏)

承認プロセスのパターンに応じて、表示されるステータスを切り替えをForguncyで実装

Forguncy開発のポイントのまとめ

  • ユーザーとのワークフローも同時に見直し、システム化を行った
  • 画面設計の自由度が高く、分かりやすさにこだわった開発がやりやすい

【効果】基幹システムとの連携で、一層の業務効率化を狙う

業務効率化以上の効果を実感

個別企業の販促物の受発注Webアプリの開発は2020年10月から始まり、11月15日にはテスト運用が開始されています。
「現場の肌感覚では、Webアプリの導入後は30%以上の効率化されたと聞いています。私の印象では、実際の効果はそれ以上で、煩雑なメールでのやり取りが無くなった分、担当者に余裕が生まれていると思います。実際、ほかの業務でのミスが激減し、担当者のストレス軽減効果が間接的な効果として現れていると実感しています。」(中北氏)
また、分かりやすさにこだわったUIについても、「お客様(ユーザー企業の店長)から操作についての問い合わせはゼロ件」と、使い勝手についても申し分ないようです。
お客様の業務の効率化についても評価されているようで、現在は直営店のみで導入されている販促物の受発注Webアプリをフランチャイズ店に水平展開することが検討されているといいます。

『Forguncy』で社内情報の一元化を

「せっかく開発したWebアプリですが、売り上げデータなどは基幹システムと連携できていません。今後は、データを連携させ、一層の自動化を目指していきます。また、生産管理などのほかの社内システムとの連携も進めていく予定です。」(中北氏)

スモールスタートをしたい新規事業のWebアプリや、種類の多いアイテムの受発注業務をWebアプリにすることで、顧客の業務も効率化することができた同社は、今後もさらに『Forguncy』を活用して、ビジネスを効率化していくものと期待されます。

全体まとめ

  • 社内社外で共通の思い通りの分かりやすい画面をデザインし、実装できた
  • 少量多品種の受発注システムを短期間・低コストで開発でき、スモールスタートにも好適
  • 煩雑な業務の効率化は当該業務だけでなく、波及効果も期待できる

株式会社 共進ペイパー&パッケージ様

ロゴ:株式会社 共進ペイパー&パッケージ様
本社所在地 〒650-0022
神戸市中央区元町通6-1-6 共進ビル
主な事業
  • 印刷紙器・段ボールケースの製造販売紙・化成品・包装資材の販売・コントラクトパッケージング業務
設立日 1961年9月
URL https://www.kyoshin-pk.co.jp/
見出しの装飾

Forguncyをもっとよく知る

各業種や用途別にForguncyを活用して、成功した事例や使い方のご紹介します。