日亜化学工業株式会社様

40時間でLED製品製造の前工程と後工程の型番情報を一元化するシステムを内製。型番に関連する業務データの検索が可能に

日亜化学工業株式会社様

世界に先駆けて、高輝度の青色LEDを量産・製品化した日亜化学工業株式会社は高効率・高品質・高信頼性のLEDを幅広くラインアップしている化学会社です。LED製品は半導体ウェハーの製造とチップを切り出す「前工程」と、組み立てを行う「後工程」を経て製品化されます。日亜化学では前工程のチップ型番情報と後工程の製品型番情報を紐付ける際にExcel VBAを利用していました。前工程、後工程の型番情報は、製造から販売、経営指標策定にいたるまでのあらゆる業務で利用されるため、これをシステム化しすべての業務プロセスで参照できるようにしたいというニーズが以前からあったとのこと。これに応えたのが、『Forguncy』で開発した「プロダクトナンバリングシステム(Plin:Product model number Information-Link)」です。「Plin」を開発した同社 総合部門情報・流通本部IT開発部 遠藤純氏と吉川恵子氏にお話を伺いました。

【課題】部門ごとに構築・部分最適化されたシステムにより製品情報が分断

青色LEDの製品化で知られる日亜化学工業では、LEDなどの電子デバイスや蛍光灯などに使われる蛍光体、電池材料などを開発・製造しています。同社には、徳島県阿南市に本社工場、辰巳工場、新野工場の3つの工場があるほか、徳島工場、鳴門工場の5つの生産拠点があります。同社のシステムが抱えていた課題を説明するのは、IT開発部 遠藤 純氏です。

日亜化学では、システムを管理する部門が経営管理、生産管理、販売管理など業務単位で分かれていて、運用保守もそれぞれの部門で行ってきたという歴史があります。そのため、部門毎、拠点毎にシステムが部分最適化され、1つの型番に紐づく情報を一元的に管理できていませんでした。LED製品についても前工程のチップ型番と後工程の製品型番が違うシステムで管理されるなど製品情報が分散していたとのこと。

IT開発部 遠藤 純様

IT開発部
遠藤 純様

「LEDはチップなどを組み立て製品化するため、どのウェハーのチップがどの製品に利用されているのかといった情報が製品管理上、どの部門でも必要になります。型番のマスターはあるのですが、部門ごとに独自の方法で情報を取得し業務を行っていたので、製造プロセスを横串にした製品管理が難しかったのです。」(遠藤氏)

Excel VBAで行なうしかなかったチップ型番と製品型番の紐付け

全ての製造工程で製品情報を一元的に閲覧したいというニーズは以前からあったといいます。

たとえば、企画部門であれば「各製品の設計情報を包括的に見たい」、設計部門では「過去の製造情報の事例を調べたい」、営業部門であれば「製品の販売状況を知りたい、継続して製造しているかどうか調べたい」といった具合に、業務部門のニーズに応じた情報をさっと閲覧できる仕組みを必要としていました。これを実現するには、部門の中に分散している製品情報を集めてデータベースとして利用できるように仕様を統一しなければなりませんが、すぐには実現できないため、やむを得ずExcel VBAを利用したとのこと。

「部門ごとに独立しているシステムを連携するためには、期間もコストも必要となるため、場当たり的でしたがExcelのマクロを使って各システムから必要な情報を収集していました。」(遠藤氏)

しかし、ニーズに応じてExcelマクロは増加していき、用途に応じた使い分けが複雑化。「不便を感じているし、なんとかしたいけれども、必要な情報は取得できているので、がまんして使い続けている状況が続いていました。」(遠藤氏)

▲製造プロセスをまたいだ製品情報の紐付けができず、Excel VBAで管理していた
▲ 製造プロセスをまたいだ製品情報の紐付けができず、Excel VBAで管理していた

Forguncy導入前の課題

  • 部門ごと工程ごとのシステムにより型番に紐付いた情報が分散し製品情報を横串で見ることができなかった
  • データ集約のためにExcelマクロを利用していたが、用途ごとに使い分ける必要があり、運用や保守に課題があった

【Forguncyの導入】製品データの一元管理が可能なノーコードツールを探していた

既存データベースと直接接続でき、スピーディな開発ができるForguncyを採用

そんな中、同社では拠点ごとに分散していた情報部門が統合。現在ではIT開発部は、インフラ、経営管理、生産/製造、営業/販売、品質管理の5つの課に集約され、在籍者は約160名にもおよびます。ITを管理する組織として環境が整備され、型番情報の一元管理システム実現に向けて動き出しました。

これまでユーザーが不満を抱えながらもシステムを統合せず、Excelマクロを使い続けてきた理由には、開発コストもさることながら、部門ごとにシステムが最適化してしまったため製品マスターがそれぞれに存在する上、同じような機能が組み込まれていてもあちらを残せばこちらの都合に合わなくなるといった運用上の要望の違いもありました。

「製品の型番情報の一元管理は以前からのニーズでしたが、それに対応するためにはまず、各システムの製品マスターを整理するところから始める必要がありました。それぞれのマスターは各部門で最適化されていたため、その調整には苦労しました。」(遠藤氏)

部門ごとの要件の違いを吸収しつつ型番情報の一元的に参照できるシステムを作るためには、それぞれのデータベースと直接接続でき、画面や業務ロジックの実装や修正対応がスピーディにできるツールが必要でした。同社ではSQL Serverを利用していたため、これと直接接続できるノーコードツールを探したそうです。

「新しいシステムはノーコードツールで開発したいと考えて、色々と情報を収集していました。Forguncyを含め4つの候補がありましたが、SQL Serverへのアクセスが容易なことと、必要な情報を見やすく表示できることから、『Forguncy』の導入を決断しました。」(遠藤氏)

Forguncy導入のポイント

  • 『Forguncy』は、開発コストを抑えることが可能なノーコードツールだった
  • 『Forguncy』は、SQL Serverへのアクセスが容易に可能だった
  • 画面や業務ロジックの実装や修正対応が迅速に行える

【開発】Excelを使えていれば、問題なく開発できる

つくりながら使い、使いながらつくる

型番情報を元に各システムから必要な情報を集め、業務部門ごとの用途に応じて表示する「プロダクトナンバリングシステム(Plin:Product model number Information-Link )」の開発が始まったのは、2018年7月。「従来のExcelマクロを開発したのは自分でしたが、自分自身がそのユーザーでもありました。そのため、システムに求められる要件は把握できていました。」(遠藤氏)

そして「Plin」は2018年9月に運用が開始されます。「ほかの業務も行っていましたので、開発そのものにかかった時間は40時間程度でした。ほかの方法で開発すると1.5か月くらいはかかったと思います。」(遠藤氏)

▲Excel VBAを廃止し、全製造過程における製品情報・販売情報を一元化
▲ Excel VBAを廃止し、全製造過程における製品情報・販売情報を一元化

カットオーバー時の要件は十分に把握していたとはいえ、「Plin」の運用を開始してからは、ユーザーから新たな機能を搭載してほしいなどの追加要望がでてきたといいます。

「実際に使えるシステムが目の前にあることで、要望も出しやすくなるのだと考えています。随時改良しながら運用できるのは、『Forguncy』の優れた点ですね。」(遠藤氏)

システム開発や改修をすぐに行える

「Plin」の開発は遠藤氏が一人で行いましたが、2019年7月には吉川氏がチームに加わります。パッケージ製品の導入や運用に携わっていた吉川氏は「『Forguncy』はとてもシンプルなツールで使いやすいツール」だと評価します。

「Excelライクなので、Excel関数を使ったことがある人であれば、すぐに使えます。私自身も『Forguncy』には今回、初めて触れましたが、最初はいとも簡単にSQL Serverと接続できたことに驚きました。Plinの表示項目を変更してほしい、別の条件でデータ抽出できる機能がほしい、といった要望にも1時間もあれば対応できます。テンポよく開発が進められるツールだと思います。」(吉川氏)

IT開発部 吉川 恵子様

IT開発部
吉川 恵子様

▲Plinのメインメニュー。製造プロセスに必要な情報にアクセスしやすく整理された画面
▲ Plinのメインメニュー。製造プロセスに必要な情報にアクセスしやすく整理された画面
▲Forguncyで作成した製品型番情報の一覧画面
▲ Forguncyで作成した製品型番情報の一覧画面

また、同社でも新型コロナウイルス流行への対応でテレワークを行う機会が増加していますが、タブレット端末などテレワークで使用するデバイスに合わせて、見やすく表示してほしいといった要望にも迅速に対応できているといいます。

「新型コロナウイルスに関連してワクチン接種のアプリを急遽開発する必要があったのですが、『Forguncy』を使って1日で開発しました。すぐに開発できるのは『Forguncy』の大きな魅力です。」(遠藤氏)

Forguncy開発のポイントのまとめ

  • 『Forguncy』では、短期間でWebアプリを開発することが可能
  • Excelライクの操作性で、表示内容の変更などが容易に行える

【効果】全社で『Forguncy』を活用する体制を整えていく

社内で拡大する『Forguncy』の利用

「Plin」の開発により、Excelマクロを使用することなく必要な製品情報を自由に利用できるようになった同社ですが、その後、RPAと連携する業務アプリや国内・国外共通の営業向けのWebアプリも『Forguncy』で開発しています。

「営業用のアプリは営業/販売を担当するシステム課の案件だったのですが、運用変更に伴うシステムリプレースを早く進めたいということだったので、私の課でひきとってForguncyで開発しました。開発のスタートは2020年11月。仕様を固めるのに少し時間がかかりましたが、開発は遠藤氏と吉川氏に加えて、システム開発の経験はないが業務知識を有した2名がForguncyの開発方法を学び対応しました。最低限の機能を実装して、運用を開始したのは翌年の2月でした。」(遠藤氏)

遠藤氏のグループ7名で、『Forguncy』を初めて使う人も少なくありません。チームで『Forguncy』を活用するためにはドキュメント自動生成機能が重宝しているといいます。

「属人化を防ぐにはドキュメントを残すことが重要ですが、『Forguncy』はテーブル情報や画面スクリーンショット、コマンドなどを自動的にドキュメント化してくれるので助かっています。コマンドについては1ステップごとに注意事項などをコメントとして残すこともできるので、メンバーにはなるべくコメントを入れておくように指導しています。」(遠藤氏)

Excelマクロの問題点として、開発者以外には分かりにくく、担当者が代わるとブラックボックス化する点が指摘されていますが、『Forguncy』であれば、属人化を避け、確実に引き継ぐことが可能です。

誰でも開発できる環境を構築していく

さらに、同社では独自の教材を用意して、グループ内で『Forguncy』を学ぶための体制を整えているといいます。「データベースの最低限の知識などのほかは、90日間の試用期間を利用して『Forguncy』を学んでもらっています。最後の30日間は自分やグループ内で使うためのWebアプリを開発してもらっています。」(吉川氏)

また、社内の他部門からも、『Forguncy』を活用したいという相談が少なくないといいます。「具体的な計画はまだありませんが、まずはグループ内で『Forguncy』を使えるようにして、次は課内、その次は全社でという具合に誰でも『Forguncy』でWebアプリを開発できる体制にしていきたいと考えています。」(遠藤氏)

そのためには、『Forguncy』についての情報を共有する仕組みが必要だと吉川氏は指摘します。「開発の相談や、新機能やバグの連絡などの情報共有は、効率的に『Forguncy』を活用するためには必要だと思っています。私たちが窓口になることで、社内に『Forguncy』活用をディスカッションできる場ができればいいと考えています。」(吉川氏)

「企業をまたいだ『Forguncy』のユーザーグループがあればいいと考えています。具体的な事例や課題を紹介し合うことで、より有効に『Forguncy』を活用することができるようになるはずです。」(遠藤氏) いずれは全社で『Forguncy』を活用していきたいという同社から、新しい活用事例が発表される日はそう遠くないことでしょう。

全体まとめ

  • 部門毎に異なるシステムのデータを容易に連携し、統合して運用できる
  • 内製化システムで陥りがちな属人化、ブラックボックス化を防ぐことができる
  • 必要なWebアプリを必要なタイミングで開発、導入できる

日亜化学工業株式会社

ロゴ:日亜化学工業株式会社様
本社所在地 〒774-0044
徳島県阿南市上中町岡491番地
主な事業
  • 蛍光体/発光ダイオード "LED"/レーザーダイオード/光半導体材料/ファインケミカル(電子材料、医薬品原料、食品添加物)/遷移金属触媒/真空蒸着材料/電池材料/磁性材料
設立日 1956年12月
URL https://www.nichia.co.jp/
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