Forguncyで外部データベースのデータを活用する
Forguncyはデータベースを内蔵していますが、SQL ServerやOracle Databaseといった外部データベースとの連携にも対応しています。 生産管理の基幹システムと繋がっているデータベースで製造部品の型番や品名などのマスタデータが管理されているが、在庫管理のExcel台帳にも同じ型番や品名、金額などを毎回手作業で転記しなければならない……。
こういったケースに最適なのがForguncyの外部データベース連携機能です。本記事では、外部データベース連携について何ができるのか、どんな場面で活かせるのかを交えて紹介します。
Forguncyの外部データベース連携機能
Forguncyでは内蔵データベース以外に、SQL ServeやOracle Databaseなど外部のデータベースと連携を行い、そこで管理されているデータに対して直接CRUD操作(参照・編集・登録・削除)を行うことができます。
基幹業務で使用しているデータベースとForguncyのアプリケーションを連携すれば、部品の型番や顧客の電話番号など、基幹側で管理しているマスタデータをForguncyアプリで使用してサブシステムを構築することが可能になります。
1つのForguncyアプリケーションに対して、複数の外部データベースを接続することができます。そのため、顧客情報用のデータベース、製造情報用のデータベースなど使用したいデータがいくつかのデータベースに分かれて管理されている場合でも、Forguncyでデータの一元管理を実現できます。
Forguncyでデータの一元管理を行うメリットとして、「データの活用を容易にする」ことが挙げられます。
ForguncyはWebアプリケーションを生成します。インターネット環境に公開すれば場所を選ばずアプリにアクセスできるので、社内からだけではなく製造現場で発注の状況を確認したり、営業先で過去の受注状況を調べたりすることができるようになります。
また、Forguncyには豊富なUI部品を持つという特長もあります。基幹システムのデータべースと連携しておけば、ビューでそのデータを欲しい形にまとめ直し、グラフやピボットテーブルなどのUI部品を使用して分析用の画面も簡単に作成できます。ビューの作成方法やUI部品については過去の記事で解説しておりますので、そちらも参考にしてください。
外部データベース連携機能の活用シナリオ
では、実際にForguncyと基幹システムのデータベースを連携することが有効なのは、どのようなケースなのでしょうか?
その一例として、「システムが業務単位で分かれており、運用・保守もそれぞれが独立して行っている」ケースをご紹介します。
ある会社では、製品情報や発注業務は製造部門、売上などの実績は管理部門、受注や顧客に関する情報は営業部門がそれぞれ管理をしています。それぞれのデータは基幹システム上のマスタで管理していますが、部門ごとに独立してデータを管理しています。つまり、部門単位で見るとそれぞれのデータベース内に情報がまとまっているように見えますが、全社という単位で見るとデータは分散管理されている状態です。
しかし、業務を行うには異なる部門のデータが必要です。売上の報告書を作成する場合、製品情報は製造部門のデータベースから、顧客情報は営業部門のデータベースから参照する必要があります。そこで、売上報告書作成の担当者はExcelにデータを転記したり、データ抽出用のマクロを組んだりして対応しています。
ここで問題になるのが、徐々にその報告書作成の手順が複雑になっていくことです。税率の変更やまとめての発注による割引の計算式などに変更があった場合、担当者はそれに対応しなければなりません。何か変更が生じた際にその都度マクロを書き足していくと、気づかぬうちにそのマクロはとても複雑で難解なものになってしまいます。いつも管理運用を行っている担当者は中身が分かっていたとしても、他に誰も理解できている人がいなければ担当者が不在の場合に業務が滞ってしまいます。
こういったケースで活きてくるのがForguncyの外部データベース連携機能です。
製造部門、管理部門、営業部門それぞれのデータベースと連携したサブシステムを作成することで、1つのアプリケーションから全てのデータにアクセスできるようになります。Forguncy上にデータが一元管理されていれば、データの抽出・加工・報告書の出力までをノーコードでシステム化できます。いつもの作業手順を自動化して誰でもできるようにしておけば、担当者の突然の不在でも問題なく業務は進められますし、複雑な手順の引き継ぎに膨大な時間を取られることもありません。それに、データの抽出も割引額や税額の計算も全てシステムが自動で行ってくれるので、人的ミスの発生も防げます。
Forguncyの外部データベース連携機能は、データの分散管理だけでなく業務の属人化も解消し、さらには業務効率の改善も期待できます。実際にSQL ServerとForguncyを連携してデータの一元管理を実現した例として、導入事例ページでは日亜化学工業株式会社様のケースを紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
外部データベース連携時にForguncyができること
Forguncyが内蔵データベースと同様に外部データベースに対しても利用できる機能についてご紹介します。
同時実行制御機能
外部データベースのテーブルに対して、レコード更新時に楽観的ロックを掛けることができます。楽観的ロックは、以下の2ケースで適用されます。
- 「テーブルデータの更新」コマンドでカレントレコードの更新を行った際
- リストビュー上からレコードの更新を行った際
詳細については、ヘルプを参照してください。
Forguncy独自のデータ型
外部データベースのテーブルを後述のリンクテーブル形式で使用した場合に、元のデータ型がString型のフィールドにはForguncy独自の型を使用することができます。
適用できるForguncy独自の型は、テキスト型(デフォルト)、ユーザーアカウント型、添付ファイル型、画像型です。
それぞれの型の詳細については、ヘルプを参照してください。
権限設定
外部データベースのテーブルや各フィールドに対して、アクセス許可を設定できます。権限設定は個々人のほか、役職や所属単位で設定することが可能です。 詳細な設定方法については、ヘルプを参照してください。
連携方法
Forguncyと外部データベースの接続は、ノーコードで簡単に設定できます。
その際、テーブルの形式は「コピーテーブル」と「リンクテーブル」の2種類から選んで設定することになります。
これらの詳細については以下の記事にて詳細に解説しておりますが、簡単に説明するとコピーテーブルではデータの参照のみに対応したもので、リンクテーブルではデータの追加・更新・削除も可能なものです。
注意事項
Forguncyで使用するデータベースを検討する際に、知っておいていただきたい点についてご紹介します。
外部DB接続を推奨するケース
Forguncyでは以下のような場合、内蔵データベースではなく外部データベースの使用をお勧めしています。
・大量のデータ管理をする場合や高負荷が予想される場合
2TB以上の大量のデータを扱う場合や、同時に大勢で接続してデータの更新をするなど大きな負荷がかかる状況が想定される場合、外部データベースの利用をお勧めしています。
・複数のForguncyアプリで同じデータを使いたい場合
Forguncyの内蔵データベースは1アプリにつき1つとなっており、異なるForguncyアプリケーションからの接続には対応していません。複数のForguncyアプリケーションから同じデータを使いたい場合は外部データベースを使用してください。
使用可能なデータベースの種類
ForguncyではSQL Server、Oracle Database、MySQL、PostgreSQL、ODBCデータソースが使用可能です。
ただし、ODBCデータソースは同時実行制御やアクセス権限機能が使用できないなど、一部に制約があります。詳細についてはヘルプを確認してください。
Forguncyをもっとよく知る
各業種や用途別にForguncyを活用して、成功した事例や使い方をご紹介します。